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華江高級中学校の生徒(手前左から2人目)に助言する白子高校の生徒=2025年4月16日午後3時1分、三重県鈴鹿市白子4丁目、安田琢典撮影
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 初めて一緒に練習したにもかかわらず、わずか30分後には、台湾と日本の高校生たちが奏でた音は美しく重なり合った。言葉は通じなくても、音楽は、世界共通。そんな思いを共有した生徒たちは、更なる高みを目指そうと誓い合った。

 4月16日午後、全日本吹奏楽コンクールに6回出場するなど、吹奏楽の名門として知られる三重県鈴鹿市の白子高校に、台北市にある華江高級中学校の吹奏楽部員、15~18歳の36人が集まった。台湾でも近年、吹奏楽の人気が上昇しているといい、1982年に創部した華江の吹奏楽部は台湾の全国大会常連校だという。

 華江の生徒たちは、「津まつり」を通じて20年以上にわたって台湾と交流する津市観光協会の招きで来日した。どうしても日本の吹奏楽の名門校と交流し、「日本流」の練習を通じて自分たちの音をさらに高めたいという強い希望をくみ、同協会は白子高に白羽の矢を立てた。

 パーカッションを担当する高校2年の董兆陽さん(17)は、ユーチューブで見た日本の高校生の印象について「舞台への入退場を含め、しっかりした規律がある」と感じていた。そうした規律が演奏にもたらす効果はどのようなものなのかを知りたかったという。

 一方、受け入れた白子の生徒にとっても、海外の高校生と一緒に練習するのは初めての経験だ。それでも顧問の大野博史教諭は、あえて「白子流」の練習にこだわった。

思わずさけんだ「ブラボー」

 白子の練習時間は1日に1時…

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